第264章

  まったく、予想の斜め上だった。

  林川天一は今すぐ穴があったら潜り込みたい気分だ。――屈辱にもほどがある。

  自分の結婚式で、股が破れるなんて。

  こんなのトレンド入り確定だし、一生消えない汚点になる。

  林川天一は慌てて立ち上がり、膝をぎゅっと閉じて、両手で破れた箇所を押さえた。

  司会者も何度も式を回してきたはずなのに、こんな事態は初めてらしい。言葉が出ず、口をぱくぱくさせるばかり。

  客席のどっと沸く笑い声を聞きながら、川崎霊子も顔から火が出そうだった。頬はみるみる赤黒くなっていく。

  下にいる島宮奈々未も堪えきれず、腹を抱えて笑った。元彼が盛大にやらか...

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